2011年6月29日水曜日

玉川温泉と田沢湖の秘話!

玉川温泉水の秘密!


玉川温泉の温泉水と温泉沈殿物には、今話題のレアメタル希少金属)が高濃度で含有する!   
源泉の大噴(おおぶき)は98℃の熱湯が湧出量で毎分9000リットル=1分間にドラム缶で45本分も流れ出ている。温泉に利用されているのはその一部であり、大半は玉川に流出している。注目すべきは、その成分である。玉川温泉はpH(ペーハー)1.2という塩酸を主成分とする強酸性泉である。他の温泉とはまったく異質な存在である。この大噴の塩酸ー硫酸泉だけで今話題のコンピュータなどに必要とされているレアメタル、希少金属が高濃度で含有することが分析の結果わかった。これは秋田大を中心としたチームの共同研究で明らかになったもので、秋田大学工学資源学部 石山大三教授(鉱床学)が中心メンバーになっている。

※筆者の私は源泉付近の川の岩肌や石などが柿渋の色のように異常に赤いのが目立つが何か特殊な成分が流出しているのだと常々、思っていた。ネット上の検索では毎分9000ℓの温泉水を最大効率でレアメタルを取り出せたとした場合の試算では30kgだという。本当だとしたら凄い事であると思ったら、推定の範囲での単純計算ではあるがインジウム1年間で30Kgでした。他にも何種類かは取り出せると思うが、効率ワル! チリも積もれば山となる!のかな?    温泉水が5000年の歳月で堆積して川底に鉱床となっていると思われる。国立公園内の規制で開発は無理かもしれないが!川水は処理出来る。


※更に、工業廃水から有害なレアメタルを資源として回収する技術を、名古屋大エコトピア 科学研究所の伊藤秀章特任教授、笹井亮講師らのグループが開発した。地底で鉱物資源を生成した 高温高圧の条件がヒントとなったという=2009年)。これは有害な廃水を適正に処理しながら資源も同時に 回収できる一石二鳥の技術である。玉川毒水は中和処理だけでは魚にとって有害な成分が残留していると思われる。即応用できると思う。


玉川の川水は源泉から300m下流の中和処理施設にほとんど取りこまれて、野積みの石灰石(1日40トン使用)を通過させることで強酸性泉水(pH1.2)1リットルに対して4gの石灰石でpH3.5までに中和処理して、放流。田沢湖に流入する途中の沢水や湧水など更に希釈されて玉川ダム取水口ではpH6.6迄になっているという。ここまでやって、 農業用水や魚の棲める水にしていると言うが!これをレアメタル抽出処理施設に切り替えて稼動してはどうだろうか?高温高圧で鉱物化処理すれば取り出せるらしい。源泉の熱は98℃である。他にもローコストで抽出方法があるようだ。


この中和処理施設は石灰石だけで年間1億円使うと言う。施設運営費に年間に何億円も予算を使い、正に水にして垂れ流しているが、レアメタルを取り出せれば、予算を使った何分のいくらかだけも回収できるのだ。資源を有効利用しよう。柔軟な対応を望みたい! 



レアメタルとは非鉄金属のうち産業界での流出量・使用量が少ないという意味で希少な金属のことである。レアメタルは日本独自の用語で海外ではマイナーメタルといわれる。一般的に温泉などに含有されて当然な希少金属ではあるが、玉川温泉の場合は他の温泉に比べると10倍から数百倍程度の高濃度で含まれているという。大半が利用されずに川に流出とはもったいない。効率良く濃縮して、取り出す方法が急務とされる。


石山教授は温泉沈殿物が現在形成されつつある鉱物資源と考え研究している研究者。秋田大学の93年前の大先輩には1918年に北投石の調査・研究発表をした秋田鉱山専門学校(秋田大学鉱山学部の前身)・鉱山学部の大橋教授がいる(2011年現在)。 (河北新報2011年1月29日頃に掲載の記事を部分引用)

レアメタルの一覧
リチウム ベリリウム ホウ素 (希土類) チタン バナジウム クロム マンガン コバルト ニッケル  ガリウム ゲルマニウム セレン ルビジウム ストロンチウム ジルコニウム ニオブ モリブデン パラジウム インジウム  アンチモン  テルル セシウム バリウム ハフニウム  タンタル  タングステン  レニウム  白金タリウム ビスマス
 
希土類元素(レアアース)17種類=スカンジウム  イットリウム  ランタン  セリウム  プラセオジム  ネオジム  プロメチウム  サマリウム ユウロピウム  ガドリニウム  テルビウム   ジスプロシウム  ホルミウム  エルビウム ツリウム イッテルビウム ルテチウム 


※先端技術の材料として使われているものには、液晶ディスプレーやパソコン、携帯電話、蓄電池などがある。青色発光ダイオードのガリウム。ハイブリッド車のモーターにはネオジムが使われ、ヘッドホン製品にはサマリウムなどがある。
現在、産出国は中国で9割を独占しており、外交問題などの戦略製品としても影響力が多大。中国との外交が悪化した時に輸出禁止処置が取られ、外交問題に発展した。日本では国策事業としても2006年頃より積極的に研究チームを編成させている。


レアメタル研究は秋田大、東北大、慶大などでつくるチームが2006年に本格的に着手した。海水から取り出す技術も研究中であるが、玉川温泉の玉川毒水が大注目である。






北投石

玉川温泉のラジウムの秘密!
玉川温泉は放射能温泉ではない。ラジウム温泉ではあるが厳密には温泉水や湯華、土砂などに微量の放射能を含有する程度である。強酸性泉は各種細菌類に対し、強力な殺菌力を発揮する。ラジウムを放射する特別天然記念物「北投石」を生成、産出。北投石は温泉にも含まれる重晶石であり硫酸バリウムが結晶して出来たもので微量のラジウムを含んでいる放射性鉱物である。泉質は酸性-含二酸化炭素・鉄 (II)・アルミニウム-塩化物泉である
玉川温泉地獄谷 イオウと80度前後の蒸気が噴き出している


放射能泉の定義は温泉水1kg中にラドンを3ナノキュリー(=8.25マッヘ単位 = 111ベクレル)以上含有。単純弱放射能泉・含弱放射能泉のラドン含有量は8.25マッヘ単位/kg以上50マッヘ単位/kg未満。単純放射能泉・含放射能泉は50マッヘ単位/kg以上となっている。

玉川温泉の場合は0.76ME(マッヘ)で、規定値8.25MEの11分の1の濃度と極めて低いのである。

日本の有名ラジウム温泉1位から4位まで①島根県の池田ラジウム鉱泉8号線は6640ME  ②山形県の益富ラジウム温泉49号泉は730ME  ③鹿児島県の猿が城温泉は711ME  ④岐阜県の湯ノ島ロウソク温泉は556ME   



玉川温泉のラジウムは低レベルでも他の温泉とは違う!健康に良いトリウム温泉である!

源泉近くの薬師神社(0.5μ㏜~6μ㏜前後)や大岩の間(0.9μ㏜~6μ㏜前後)など特定の強度の場所以外は非常に低い値である。0.2μSv~6μSv(マイクロシーベルト)まで幅があるが危険なウラン系列のアルファ線ではな有益なトリウム系列のガンマ線であるという岩手医大名誉教授・柳澤 融先生(2011年現在・玉川温泉研究所副会長)のスペクトル分析が報告されている。


原子が核分裂でどんどん崩壊して、原子量が半分になる半減期と云うのが重要で、ラジウムは崩壊の時ガス体になってラドンになるガス体のラドンは3.8日である。トリウムは半減期がガス体のトロンになると54という数値になる。


温泉の場合はこれが体内に取り込まれて各種ホルモンなどが刺激されて若返り効果や病気の回復改善が劇的に促進されるという事が臨床実験で確認されているわけです。

玉川温泉は厳密にいえばラジウム温泉ではなくトリウム温泉であると云う事です

原発の事故で有害な放射能の体内被曝で体内に残留するのが怖いと言っているが、温泉の場合はガス体なのである。身体に吸引された有益なガス体のトロンは54秒であると、分で体外に放出される。ラジウムも有益なガス体のラドンは水溶性が高いため温泉水に混入されて出てくるが吸引されても3.8日(4日)であるので、数日で体外放出される。体に有益と言われるのは、短時間&短期間の体内滞留で有害なものを引き連れて通過してしまうからでもある。
※原発の人工の放射能線は残留が超長期にわたる為、有害である。単純な比較では有益とは言えないのであるが、おおむね有益といえるのは健康増進や回復改善と癌細胞を抑制する効果の方が勝るという理由である。(又、新たな情報によっては、内容の変更・更新はありえます。)





ガンマ線は医療用には天然コバルト60を利用して癌細胞の除去や食品の滅菌・工業用のⅩ線写真などに利用されている。玉川温泉においでは非常に微量の低レベルである為、健康を害するほどの放射線量はない。一年間滞在してもCTスキャン1回分6.9mSv(㍉シ-ベルト)以下であり、心配はないと考えられている。逆に微量な含有量とpH(ペーハー)1.2という強酸性の温泉の有効成分の絶妙な組み合わせが若返り効果とか病状の回復改善を促進させる事が報告されている。



微量のラジウム含有の北投石の存在も見逃せない。玉川温泉周辺の田沢湖・鹿角・花輪などの地元では北投石は万病に効く薬石と云う事で特別天然記念物に指定され、国立公園からの持ち出しが禁止される前後まで採掘・採取が行われていたという。(万病に効くと言う事は迷信である。過信は禁物である!)


玉川温泉大浴場




玉川温泉・強酸性泉の秘密!
胃液の通常のペーハーは1.8から2程度であるから、いかに強酸性なのかがお分かりだと思う
ヒリヒリ・チクチクは痛いのは当たり前なのだ!デリケートな皮膚の人は一発で湿疹が出そうだが初体験入浴でも3日程しないと出ない。まれに1日で出る人もいたが、いづれにしても不思議な温泉である。


胃液1.8~2.0レモン汁2.0~3.0食酢2.4~3.0 ワイン3.0~3.7


ビール4.0~4.5 醤油4.5~4.9 炭酸水4.6 雨5.6 煎茶5.9


尿4.6~7.4 水道水5.8~8.6 牛乳6.4~7.2血液7.4 涙8.2


母乳6.8~7.4 唾液7.2~7.4  海水 8.3 石鹸水9.0~10.0     



源泉100%の強酸性泉の温泉順位pH(ペーハー)

① 秋田県玉川温泉pH1.175酸性-含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)アルミニュウム塩化物泉 (八幡平に降った雨など地下への流入量の変化によって雨期は濃度が薄くなる。冬期は凍結などで雨の流入量が少なくなり濃度が更に濃くなりpH1.05位になるともいわれる。)  


② 山形県座王温泉pH1.3             含硫化水素強酸性明礬緑礬泉


③ 大分県塚原温泉pH1.4 (湯布院)酸性-含硫黄・緑礬・明礬-石膏泉


 北海道川湯温泉pH1.4 (湯の川)硫黄泉 酸性明礬(ミョウバン)泉


⑤ 秋田県川原毛 pH1.41(大湯滝)塩酸酸性型強酸性泉


玉川温泉は他との比較で同じ、強酸性泉でも含有物質が特殊な配合である事がわかる。地底のマグマから直結で噴きあげられているという不思議。




田沢湖固有種のクニマスの秘話!


懸賞金が最初は100万円で最終的に500万円になった
1941年 田沢湖の湖水を利用した国策事業の水力発電所(生保内=おぼない発電所=当時は秋田県最大の発電力と言われた)が完成。東北電力の管轄。待望の電気が通り周辺は恩恵を受けた。それでも玉川温泉までは通らなかった。(1991年=平成3年の玉川ダムが出来るまで、玉川温泉は電気なしのランプの湯治場であった。)


発電に伴い田沢湖の湖水の水位が低下して農業用水など供給に支障が出始めた為に、玉川の水を田沢湖に流入させることになった。


田沢湖(最大水深423.4m=日本一・透明度4m)


玉川毒水の流入により田沢湖固有種のクニマスを含む魚類や水生動植物の多くが絶滅した。
国策事業で進められた発電所に田沢湖の生態系の破壊に反対する学者や自然保護運動家などの口まで封じ込んでしまった。クニマス愛好家達によって全国の愛好家にクニマスの受精卵を送りつけ保護を訴えたのであったが田沢湖町観光協会は1995年から1998年まで100万円~500万円と懸賞金を段階的に懸けて全国にクニマス探しを行ったが発見されなかった。
1935年にクニマス10万粒の受精卵をふ化後放流したという、緊急避難先でもあった西湖でも調査をしていたが、生き延びたかどうかも長年の謎であったという。1990年頃も調査はされていたのであるがその時にも捕獲できなかったようである。地元の漁師の間では時どきとれるクロマスで通っていたという。

玉川毒水!  この頃、玉川温泉下流の田園の稲のみのりが悪いのは、玉川温泉の強酸性水が原因ということが突き止められて、強酸性水=毒水であるとされた。人間にとっては益水で良い薬効成分であるが稲作農家にとっては農業用水に向かない毒水と言われた。魚の棲める水にする為に1989年(平成元年)の酸性水中和処理施設(石灰粒で酸性水を中和する施設)が出来るまで玉川毒水は田沢湖に流入され続けられた。












2010年12月クニマスが70年ぶりに再発見!
山梨県にある富士五湖の西湖に棲息している事がわかった。きっかけはさかなクン(タレント・イラストレーター・東京海洋大学客員准教授)が京都大学の中坊徹次教授からクニマスのイラスト執筆を依頼された。この時にさかなクンは実物により近いものを描きたいと思い。日本全国に呼び掛けてクニマスに近いヒメマス類を取り寄せた際に、偶然にも西湖のクロマスが手に入り、特徴的にクニマスではないだろうかと疑問を持ったという。中坊氏の研究グループが解剖やDNA鑑定の結果、本物のクニマスである事がわかった。


朝日新聞に掲載されたクニマス生息地図

さすが魚博士の異名をとるさかなクンである。絶滅種とされたが70年目の再発見となった快挙である。1935年頃、西湖に放流された受精卵がふ化して生き延びていたものと考えられている。2010年 田沢湖町観光協会は大喜びである。国や県と協力してクニマスを田沢湖に復活させる為の水質改善を働きかけて、『クニマス里帰りプロジェクト』を発足させた。








平成元年(1989年)に玉川中和処理施設が出来て、魚の棲める田沢湖水質改善中!
玉川温泉の強酸性泉水=通称は玉川毒水を野積みの石灰で中和して川に流すための施設が出来た。それまではイネ枯れで農業用水としても不向きな酸性水の状態であった。田沢湖に玉川毒水が流入させてしまいクニマスの絶滅や田沢糊の生埴物を壊滅状態に追い込んだ。現在では,玉川ダムでペーハーが4.8である。


pH5.3まで中和されてきた田沢湖は魚の棲める湖に再生されつつあるが、道のりは険しいという。酸性に強い魚ではウグイの生息が確認されるまでになったが、新たな問題も発生。中和剤に野積みの石灰を使用しているが沈殿のかき混ぜも行われているが石灰分が粒子状になって発生。湖水の白濁化現象が出て透明度がなくなりつつあるという。ダイバーが潜水すると湖底は白く濁って見えないという。発電は田沢湖の水ではなく、玉川の直接水流に切り替え工事が出来ないのであろうかこのままでは神秘的なエメラルドグリーンの色が消滅するかもしれない。玉川中和処理施設での石灰石の使用量は約40トンである。実は酸性水を野放しにするとコンクリートダムそのものが劣化が早まると言われており、深刻な問題でもあるのだ。

冬の田沢湖は湖面が凍結しない